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佐原の夏祭り その1 SIGMA19mmF2.8 EX DN

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 3連休の初日にあたる土曜日、佐原の夏祭りに行ってきた。私は、カメラマンベストを着て、大型一眼レフを振り回す〝カメラおじさん〟ではない。また、日本全国、珍しい祭りを訪ね歩くような、〝お祭りファン〟でもない。ただ、10年ほど前に偶然訪れて知った、佐原の夏祭りのゆるやかな時間が気に入っただけだ。毎年、時間があれば、見に行きたい、私のお気に入りの祭りである。2012年私の佐原の夏祭り訪問記を、6回に分けて、掲載する。
 今回、持って行った機材は、GF1と NEX-5の2台。レンズは3本(SIGMA19mmF2.8 EX DN、M.ZUIKO DIGITAL 45mmF1.8、SONY E16mmF2.8+ECU1)。全部足しても重さ1kgちょっとくらい。一般的に言えば簡素な装備だ。

 40年くらい前に出た、森山大道の『遠野物語』という新書サイズの写真集があった。確か朝日ソノラマ発行で、600円くらいの安価な本だった。200枚ほどのモノクロ写真が、例の粗い調子で印刷されていた。ずっと手元に置いていたが、2年前くらいに、ふと魔が差した。「売れるかも知れない」。
 実際にヤフオクで、かなり高く売れた。初版本だったためだろう。実は、そのとき、他の出版社から、まったく同じ体裁で、復刻本が出たのだ。私のオリジナル本は、やや経年の変化が出ていたので、新しいのに換え、なおかつ、いくらかの差益を手元に残そうという、さもしい魂胆だった。
 試みはみごとに成功した。が…、復刻本は一見、印刷が鮮やかなのだが、よく見ると、ディテールが黒くつぶれている。鮮やかに見えるのは、コントラストが強くなっているためだった。少し後悔したが、差額で中古レンズが買えた。何を買ったか記憶にない。多分、そのレンズもすでに手元にないはずだ。
 突然、『遠野物語』が出てきたのは、その本の前書きに、持って行くレンズは28mm1本のみ(カメラは多分Nikon F)、上野を出発してから、東京に戻るまで、見たものを全部撮る、というようなことが書いてあったのを思い出し、「よし、今回の佐原行きは、森山の『遠野物語』と勝負しよう」と思ったからであった。
 40年前であれば、私は、換算24mmレンズ1本で出かけたろう。当時は広角レンズが好きだった。今は、換算70mmくらいが好きだ。好きな焦点距離は、年齢と一致する、という公式が正しければ、私の場合は64mmのはずだから、ちょっと老け込んでいるのかもしれない。
 ボディ2台にレンズ3本と、私としては力が入った機材を携行したのは、最近入手したM4/3用の2本のレンズが気に入っているからだ。レンズの焦点距離には、あまりこだわらなくなった。超広角のSONYレンズは抑え程度の意味で、別になくてもよかった。ポイントは、ズームがなく、小ぶりな単焦点レンズのみということである。
 そして、お祭りの写真のはずなのに、冒頭に田んぼが写っているのは、『遠野物語』が田んぼを走る列車の写真から始まっているのに、倣ったからである。
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 森山大道への挑戦という、私のこの無謀な試みは、佐原に着く前、千葉駅で挫折した。早朝、成田―銚子間の滑河という駅で信号が故障し、電車の運転ができなくなっていたのだ。佐原は、滑河のさらに2つ先だ。朝のニュースでそのことは知っていた。「せっかくのお祭りなのに、またJRが…」。千葉県内のJR はちょっとしたことで、すぐ止まる。
 昼までには動くだろう、と思ったのが間違いで、電車は遅れあり、間引きありで、影響は続いていた。途中で乗り換えをさせられたりして、ようやく佐原にたどり着いた。
 この区間は単線。列車の本数も少ない。信号機故障くらいで、なんでこんなに影響が大きくなるのか納得できない。
 さらにイヤだったのは、同じ車両に乗り合わせた、私と同年輩の男女3人連れのやかましさ。特に、太った女性が野太い千葉弁で、携帯で長々と話しているのに、参ってしまった。千葉を出てすぐに話し始め、四街道を過ぎ、佐倉を過ぎるあたりで、「アタシねえ、佐原に行くの」と、一段と野太い声で話したのが聞こえた。え、このままずっと! 私はプッツンして、違う車両に移動した。
 電車内のドアの上部に、首都圏の路線図が貼ってあった。ところが、この電車の行き先が、出ていない。茨城、栃木、群馬などのもっとずっと遠い駅が出ているのに、現に走っている電車の、成田から先が、途切れて空白になっていて、表示されていないのである。私は、どこへ連れていかれるのだろうか?
 まったく、JRは千葉をバカにしている。JリーグのJEFユナイテッドのことだが、Jリーグ発足のとき、習志野市に断られ、行き先が決まらなかったとき、男気を出して市原市が引き受けた。それが、こともあろうに、市原では地味だというのか千葉市に移してしまった。いい選手が育つと、ほとんどを他チームに出してしまった。路線図に成田から先を書き込め、JEFにいい選手を戻せ!
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 佐原駅に着いたら、太陽がギラギラ輝きだした。この日は朝まで雨で、その日はずっと不安定で、夕方にはまた雨、という予報だったが、どうも外れたようだった。
 駅前に洋品店があり、店の外に帽子が山積みされていた。580円のツバの広いのを買った。レジに行ったら、380円だった。お祭り特価なのだろう。私の気分はすっかり晴れた。
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 気分は、晴れただけでなく、高まってきた。歩き始めてすぐに、カメラ屋さんがあった。ウィンドウに古いカメラが飾ってあり、値札はついてなかった。多分、ご主人が自分で使っていたものを、飾っているのだろう。
 自慢ではないが(自慢であるが)、全機種の名前とスペックと中古相場が即座にわかった。多くは、私も実際に使った経験のあるものであった(除くLEICA)。この店のご主人とは、波長が合っているみたいだ。中でも、Canon 7S とそれについているF0.95レンズが気になった。個人的な思い出がいっぱいある。しかし、語り始めたら、キリがない。まだお祭り会場に到着していないのだ。
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by withbillevans | 2012-07-15 06:23 |
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