苦節ウン年。私が開発した、クロウリハムシの駆除方法はこれである。キキョウの花から逃げ出した虫は、必ず、近くの高い木の枝の葉に止まる。そうしたら、虫が止まっている葉を、この道具で、下からコツンとつつくのである。
異常事態を察知した虫は、「バカの一つ覚えのような習性」によって、ポトッと下に落ちる。つまり、この容器内に落っこちるのである。
しかし、そのままでは、虫は簡単に壁をよじ登って逃げるか、場合によっては、ブーンと飛び去ってしまう。
であるからして、容器の中に、深さ2cmくらい水を入れておくのである。水に落ちると、虫は絶対に、容器内の壁をよじ登ることはできない。飛ぶこともできない。虫が多いときは、10分も作業すれば、水の表面は、虫でいっぱいになる。虫は、水面でモゾモゾ動き回るが、けっして逃げ出すことはできない。
ニュートンとリンゴの実、アルキメデスとお風呂の話は有名だ。私は、この道具を開発(発明)するにあたって、偉大な科学者が確立した法則を意識した。
(クロウリハムシだって、万有引力の法則を利用して、これまで生き延びてきた。ただ、この技術が開発されたため、種の絶滅が危惧されるが…)
そして私は、それだけでなく、子供のころあった、ガラス製のハエ取り器の構造と原理も応用した。ハエは、同器具の中の水に落ちると、這い上がったり、飛ぶことができなくなるのである。
写真を見れば、この道具の作り方は、ご理解いただけると思うが、念のため説明する
①麦茶や水が入っていたペットボトルの下側を、高さ20cmくらい残して、上部を切り取る
②長さ1~2m程度の棒に、ガムテープなどで、①の容器を取り付ける
③容器に深さ2cmくらい水を入れる。
さあ、後は存分にクロウリハムシを捕まえてください。
ノーベル賞選考委員会が、この論文を読み、その偉大な意義を汲み取ってくれることを、期待している。
≪追記≫
栃木県足利市の骨董店に、懐かしいハエ取り器があった(2012年9月16日)。