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豊岡市を訪問(2) ふれあい公設市場

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 メーンストリートを歩いていくと、右側に小路があった。屋根がついている。アーケードになっている。看板に「ふれあい公設市場」と書いてあった。何かありそうだ、という予感がした。(冒頭の写真のみE-PL3+M.ZUIKO DIGITAL 45mmF1.8で撮影)
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 見上げると、木製の梁が並んで、屋根が天窓になっている。細長い工場のような感じだった。小路の入り口辺りは、花屋さんが並んでいて、その先は食品店、また飲食店などもあった。
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 お揃いの生成りの暖簾が下がっている。2階には、すだれ。不思議な雰囲気のアーケードだった。聞いてみたら、70年ほど前に建てられ、近年になって、リフォームしたという。
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 公設市場の真ん中を細い路地が横切っていた。この路地がまた魅力的だった。ずっと向こうまで続いていて、終わりが見えないほど長い。多分、もっと広い道路を何本も横切っているのだろう。私は、豊岡の〝隠れメーンストリート〟だと感じた。
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 上の写真は、ふれあい公設市場とその路地との交差点から撮ったもの。人がいない。私は、1960年ごろを思い出した。昭和なら35年。町に人があふれていた。小学校に通うのは、こういう路地をクランク型に選んで通っていたが、どの道も活気があった。同級生に可愛い女の子がいて、彼女のお母さんが、こいう路地で駄菓子屋を営んでいた。今頃の季節になると、イカを煮たのを売っていて、いいにおいが漂っていた。
 さて、2012年の豊岡のふれあい公設市場だ。土曜の午後という時間であったが、あまり人通りはなかった。
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 写真を撮っていたら、居酒屋さんの人に「お茶を飲んでいきなさい」と、呼び止められた。せっかくなので、中に入れてもらった。
 昼飯時間が終わったので、いったん店を閉め、これから、夜の部の料理の材料の買い出しに行くところだったそうだ。居酒屋でお茶もないだろうと思い、ビールを注文した。
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 自家製だというタニシの佃煮がおいしかった。タニシを食べたのは生まれて初めてだった。壁に1枚ずつ貼られたメニューの一番始めに牛筋と書いてあったので、それも注文した。これはおでん用だが、しょうが醤油でもおいしいと教えてもらい、食べてみた。牛筋は車で40分以上かけて仕入れに行くのだそうだ。ということは、但馬牛の牛筋。ブランド品だ。「ウチで出すのは、みんな地元産ですよ」ということだった。確かに、タニシも牛筋もおいしかった。
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 「コウノトリの郷や、大石りくのお寺は見たか」と聞かれた。時間がないので、町を歩いてから帰るつもりだと言うと、「せっかく来たのにもったいない。車で案内しましょう」と思わぬ展開。遠慮は無用と言われたので、ご好意に甘えることにした。
 豊岡の人は、まことに親切である。

 私は、間もなく65歳になるオッサンだが、一人旅をしていると、親切にされることがよくある。物をもらったり、おごってもらったり、案内されたりすることが、どうも多いのである。後姿に、わびしさが出ているのかもしれない。それが、哀愁と呼ぶものであればいいと思ったりするが、多分、地方の人が人情に厚く、親切だ、ということだけなのだろう。
(続く) 
 
 
by withbillevans | 2012-11-04 18:00 |
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