新宿駅周辺には、中古カメラ店がいくつかあって、私がよく利用するのは、いずれも西口のマップカメラと新宿中古市場の2店である。前者は比較的新しい時代の製品、後者は古い時代の製品がメーンだ。
本日も、まずマップを見て、次に中古市場に行った。そこで、ついに見つけた。ずっと探していたKonica ⅡA。値札には、赤文字で「美品!!」と書いてある。さっそく見せてもらう。傷はない。フィルム巻上げはレバーでなく、ノブを回すのだが、そのノブのギザギザがまったく磨り減っていなくて指が痛いほどだ。金属の輝きがきれい。ファインダーもきれいで、二重像合致もくっきり・かっちりしている。
レンズは高級タイプのHEXANON 48mmF2.0。傷もなくクリアー。純正のUVフィルター、レンズキャップ、レンズフード付き。
しかも、値段は相場の半値以下。驚愕の安さだ。頭が、ボーッとなってしまった。「これ、もらいます」
何年も、これを探していた。当時のベストセラーだから、中古マーケットにはそれなりに、数はある。だが、程度のいいのは、まったくと言っていいほどない。
なぜ、このカメラを探していたか。50年以上前、我が家のカメラがこれだったからだ。父が買って、家族みんなの写真を撮ってくれた。アルバムに貼ってある子供のころの私の写真。全部これで撮った。私は、小学6年になると、子供用カメラ「HOBIX SⅢ」を卒業して、これを使わせてもらった。
当時、日本のカメラの最高のブランドは、やはりNIKONとCANONであった。KONICAは、2番手ブランド。私は、自分の家のものが、トップブランドでないというのが残念だった。
しかし、後年、自分でもカメラが趣味になって、いろいろ勉強してみると、このカメラは、当時のNIKON CANONのどの製品よりも優れている、と思うようになった。確かにレンズ交換はできないが、それ以外は、ほぼパーフェクトだ。
実際に、極めてよく写った。工作精度は、ほれぼれするほどいい。素材もいいのを使っている。そして何よりも、このデザインが素晴らしい。エプロン部の、金属の描く曲線がたとえようもなくしゃれている。
こんなカメラを選択したオヤジは、なかなかの人物、目利きである。それだけで、尊敬できる。
家族の歴史を数十年にわたって記録したKonica ⅡAだが、長兄がある人にあげてしまってた。そういうこともあって、私は、懐かしいこのカメラを探していたのである。
私は、自他共に認めるコニカファンであるが、そのきっかけは、この、我が家および自分の歴史(ルーツ)にあったのである。
ようやく入手したKonica ⅡAだ。10万円で買いたいと申し込まれても断る。20万円でも30万円でも断る。100万なら、ちょっと考える時間をください。もしかしたら譲るかもしれない。LEICAのフルサイズが買えますから。
≪撮影機材≫
上から
M.ZUIKO DIGITAL 45mmF1.8 + E-PL3
KONICA HEXANON AR57mmF1.2 + G1
LEICA SUMMICRON R 50mmF2.0 + NEX-5N
≪追記≫
このカメラはいかにいいか、いかに愛されているかの実例があります。当ブログ2012年12月8日アップ分をご覧ください。
(続く)