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地下鉄漫才 ビル解体編

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 勤務先が、11月初めに、建て替えが終わった新築ビルに移転した。同じころ、隣の9階建てビルで、建て替えのための取り壊し作業が始まった。
 解体作業を見物しながら、その手際よさに感心している。解体のやり方だが、先端に「でっかい蟹のハサミ」のようなものを着けたアームを備えたブルドーザー4台が、壁、柱、天井、床(床と天井は同じもの)、梁などを、バリバリガラガラと轟音を響かせながら、引きちぎり、へし折り、噛み砕いていくのである。
 私は、ある夏、カマキリが捕まえたトンボを両手で持ち、カリカリといい音を立てて、あっという間に〝完食〟した光景を思い出した。
 仕事が速いのである。「やっぱり、プロは違いますね」と、同僚と感心し合った。
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 「でっかい蟹のハサミ」1つで、何でもやってしまう。鉄とコンクリートをきちっと分け、コンクリートは小石程度に小さく破砕する。
 これをどうやって外に運び出すのか。多分、上の写真に見える小さな穴から下に落とすのだろう。穴は地上階までつながっていて、真下ではダンプカーが待っていて、その荷台に落とすのだろう。いや、それでは衝撃が強すぎるから、いったん床に落とし、その後で、ダンプに積み直すのだろう(現場を確認していないので、あくまで、推測であるが…)
 ワンフロアーをちょうど1週間で終わるくらいのスピードだった。月曜になると、1階下の床で、4台は作業しているのである。

 ある疑問が浮かび上がった。地下鉄の車両は、どこから運び入れるの? というやつである。ブルドーザーは、どうやって、下に降りるのか?
 
 その時に出た意見は「クレーンで下ろす」「1台が他の1台を吊り下げる」「ブルドーザーを解体して降ろす」「落ちる」「目をつむって飛び降りる」。私の会社のレベルが分かってしまうので、ここまでにする。
 私の考えは、「破砕した廃材を、下の階に落として坂道を作り、自分で降りていく」というものだった。さすが、社内の最年長者。知恵と理性を感じさせる発言であった。
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 そして、ついに昨日、我々は、1カ月半にして、ようやく真実を知ることとなった。私の意見に近いのだが、坂道を降りるとき、「でっかい蟹のハサミ」を着けたアームを杖のように使って、降りていったのである。確かに、坂道を作るのだが、廃材を落とすだけなので、せいぜい足場か踏み台程度の役しか果たせず、万全ではない。そのため、このアームが威力を発揮するのである。左右のキャタピラとアームによって、安定した3点支持を形成するのだと思う。
 真実に到達した社内は歓声に包まれた。いえ、ちゃんと仕事もしていますからご心配なく。このときは午後3時の5分間のおやつの時間だったのです(「え、おやつの時間があるの?」と突っ込みを入れないでください)。この5分ですべて終わったのです。
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 階下に降りたブルドーザーは、また何事もなかったように作業を進めた。
 ところで、この4台のブルドーザーは、最初に、どうやって屋上に上ったのかな? という疑問があるのだが、同僚たちは、それを口にしない。夜も眠れなくなることを心配しているのだろう。
by withbillevans | 2012-12-15 11:01 |
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