<思い出のレンズ=5=KONICA HEXANON AR 40mmF1.8(その1)は、1月11日に掲載>
KONICA HEXANON AR 40mmF1.8で撮った、過去の写真を眺めていたら、あることに気づいた。歩留まりの良さ、である。
私の写真整理のやり方は、まず、撮ったものすべてを、外付けHDに入れる。その中の、まあまあかなというカットのみ、〝select〟フォルダを作って、そこに入れるという方法だ。
KONICA HEXANON AR 40mmF1.8で撮った写真の〝select〟フォルダの中のカットを見ると、連番になっているものが少なくない。つまり、まあまあかな、という写真が撮れる比率が高いのである。
私は、休日などで、カメラを持って出かける場合は、300カットくらい撮る。そういう場合、〝select〟フォルダに入る確率は、10%くらいだ。
ところが、KONICA HEXANON AR 40mmF1.8の場合は、50%くらいになる。なぜだろうか。1つは、このレンズは、本格的に「撮るぞ!」という気分の時に持ち出すことは少なく、例えば通勤時に、歩きながら撮る、というような使い方をすることが多い。そうなると、シャッターを押す回数も少ないので、分母が小さくなり、比率が高くなる。
それから、意外性のある写真が撮れる。ボケの具合がいいので、なんとなくシャッターを切っても、予想していなかった、ある種の幻想のようなものを、表現してしまうのである。本来はselectされないはずのカットが、意外性の効果で残ってしまう。
ここに掲載したのは、ある夏の朝、出勤途中に日比谷公園で、歩きながら撮ったもの。100mを数分かけて、歩きながら撮影した。歩留まりは70%くらいだった。
歩留まりの良さはもちろん、そういう消極的理由だけでなく、このレンズの実力がもたらしめるところが大きい。