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読み、書き、写真

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カテゴリ:読む( 5 )

源氏物語 朋あり遠方より来る

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 昨夜、与謝野晶子訳『源氏物語』を読了した。午前2時ごろだった。文庫本で5巻。夏休みごろから、いろいろな本を読む間に、あるいは電車を待つ10分くらいの間にと、少しずつ読み、ようやく終わった。
 最後は、読んでいて、終わるのが惜しくなった。また、長い間の宿題をようやく片付けたような気もした。原文で読むのは、もう少し先の楽しみとして、次は、谷崎潤一郎の訳を読みたい。谷崎源氏の文庫本の第1巻は入手済み。

 東日本大震災の前の秋だったか、ドナルド・キーンさんの講演を聴いた。彼が米国の田舎町の学生のころ、アーサー・ウェイリーの英文訳『源氏物語』を、古本屋の店先で読んだ。「戦争のことを書かなくて、こんな長編小説を書く日本人とは、どんな人たちなのだろうか?」。こう思って、彼は日本語と日本文化を学び始めたそうだ。
 こういう発想ができる人間を、私は尊敬する。講演を聴いたあと、私は、キーンさんの著作をいくつか読んでみた。そして、今回、彼に後れること数十年、現代語訳であるが源氏を読み通した。
 また、先日、『源氏物語作中人物事典』など、参考書も買ってみた。読み始めたたところ、これも面白そうだ。

誰をどのレンズで撮るか
 私は、与謝野晶子訳『源氏物語』を読んでいる最中、登場人物の誰が好きか考えていた。ナンバーワンは、六条御息所であった。
 また、登場人物の誰を、どのレンズで撮るかも考えていた。
 紫の上は、Carl Zeiss Planar50mmF1.4しかない。明石の君は、LEICA SUMMICRON R 50mmF2.0である。そして、六条御息所は、KONICA HEXANON AR57mmF1.2ということになろう。
 六条御息所に次いで、私が好きなのは、明石の君である。
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 本日午後、拙宅に、大学時代に学生寮でともに生活した3人の友人が来る。2年先輩、1年先輩、同期、の3人である。
by withbillevans | 2013-01-27 16:00 | 読む

丸谷才一『樹影譚』

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 舗道を歩く。ビルのガラスが大きな鏡になって、街路樹を映す。先日まで緑濃かった樹木も、この季節は黄や赤の衣に変わる。葉が繁っているときは、1つの塊に過ぎなかったが、葉が落ちて幹と枝だけになると、様々な線が現れ、樹に個性というか、味わいが出てくる。
 ビルのガラスに写った樹木の姿は、樹影とは呼ばない。あれは、鏡に映った像である。樹影とは、光によって壁に投影された樹木の影である。子供のころに遊んだ、指で作ったウサギやキツネの影絵と同じものだ。
 夏の樹影は、多分、面白くないだろう。直射日光を遮る木陰として役立つが、あまり印象に残るものではない。冬の樹影は、記憶に残る。
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 亡くなった丸谷才一の作品では『笹まくら』に感銘したと、少し前に書いたが、また、彼のいい作品に出合った。『樹影譚』というやや長い短編である。文庫本で読んだのだが、気に入ったので、単行本を探して注文してしまった。間もなく着くはずだ。
 壁に映る樹影が、なぜか気になって仕方がない老作家が主人公だ。内容については、ここでは書かないが、面白かった。それから、小説家が、あるテーマについて、どのような素材を集め、どういう風に物語にまとめていくかが、手に取るように分かって、大変勉強になった。「私にも、小説を書けそうだ」という気にさせた。
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by withbillevans | 2012-11-15 18:00 | 読む

丸谷才一『笹まくら』

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 丸谷才一が亡くなった。虫の知らせというのだろうか、この秋、彼の文庫本を、5、6冊まとめて読んでいた。その中では『笹まくら』が良かった。あとはエンターテイメント。
 死去の翌日、朝日新聞が見出しに取った代表作は『女ざかり』だった。毎日は『笹まくら』と『女ざかり』の2冊。
 丸谷の前に読んでいたのが、二葉亭四迷と林芙美子の『浮雲』。同じ題名の小説を読み比べてみた。旅というか、漂泊というか、雲のように流れていくことにあこがれていた。『笹まくら』もそういう趣の本であったので、心に染みた、だけのことだったのかもしれないが…。
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by withbillevans | 2012-10-24 23:42 | 読む

文章読本

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 何十年ぶりかで、『文章読本』を買った。記憶があるのは、学生時代に買った三島由紀夫のもの。それ以来、丸谷才一を買ったか、借りたかしたような気もするが、あまり定かではない。
 今回はアマゾンで、まとめ買いした。中古があれば、程度のいいのを、なければあるいは新品価格とあまり変わらなければ、新品を買った。この中では、中村真一郎と吉行淳之介のものは、初めて目にするような気もするが、どこかで見たような気も……。
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 こうして並べてみると、著者に共通点がある。日本の古典文学の心酔者。先日、遅ればせながら、中村真一郎の『王朝物語』を読んで、勉強させてもらった。加藤周一があまり好きでなかったが、盟友である中村真一郎を読んでみて、彼を通して、加藤も好きになった。加藤の『三題囃』の一休、石川丈山などの人選は、私の琴線に触れた。
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 今日は土曜日だが、朝から雨になり、外出できない。文庫本の表紙をいくつかのレンズで撮ってみた。こんなものを写真にして、しかもレンズをとっかえひっかえして撮って何になるのか、と思うが、同じような本を読み比べて何になるのか、毎日毎日同じようなことを繰り返して何になるのか、ということにもなるので、古いのと新しいのと、どこか違うのかな、気にかかったので撮ってみたということにしておく。
 撮影レンズは上からM.ZUIKO DIGITAL 45mmF1.8、KONICA HEXANON AR57mmF1.2後期型、OLYMPUS OM ZUIKO AUTO-MACRO 50mmF3.5。新しいレンズのほうが、高性能なのだろうが、私はKONICAが好きだ。
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 さらに、よく使うレンズ2本も登場させた。上が、YASHICA ML 35mmF2.8。下はCanon NewFD 50mmF1.4。なお、これらの絞りは開放、明るいレンズはF2.0に設定した。
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 少し角度を変えて、2枚撮ってみた。M.ZUIKO DIGITAL 45mmF1.8の、ボケがわかる。
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 ボケだけなら、KONICA HEXANON AR57mmF1.2がすごい。上がF1.2開放、下がF2.0。もっとも、開放はこんな被写体には使わない。
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 これらの本を全部読み終わったら、感想を書いてみよう。
by withbillevans | 2012-06-16 09:56 | 読む

「読み、書き、散歩」の由来について

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 夜の9時過ぎに宅急便が来た。百科事典ほどの大きさのダンボール箱のなかに、小さな文庫本が1冊。AMAZONは便利だが、夜中まで働かせて申し訳ない。
 『読書清遊 富士川英郎随筆選』(高橋英夫編、講談社文芸文庫)である。新聞の読書欄で読み、気になっていたが忘れてしまい、昨日思い出して注文した。野家啓一という人が書いた新聞記事の中で、この本が紹介されていた。その文に「晩年の『読み、書き、散歩』の閑静な日々が……」という部分があったのに惹かれたのである。「読み、書き、散歩」とは、まさに私の理想の生活であったからだ。
 さっそく、その下りがあるという本書の「むすび」を読んでみた。「むすび」にもタイトルがあり「夕陽無限好」とあった。なんだ、これも私の趣味。私は夕陽が好きで、一時「夕陽評論家」になろうとしたこともある。ところが、すでにその肩書きを名乗っている人がいた。黒澤明の映画で徳川家康を演じた、アウトドア用品店の経営者である。私は、自分の仕事(雑誌編集)の特権を利用して、その人に会いに行ったことがある。さわやかな人だった。
 それはともかく、富士川は本書「むすび」の中でこう書いている。

 私の毎日はいわば、「読み、書き、散歩」の日々であって、この三つとも、それぞれ多少とも愉しく、僅かながらいつも変化があるからである。このようにして私は現在、平凡で、いわば小春日和のような、静かな日々をすごしているが、私はこれを老人の特権だと思っている。

 タイトルの「夕陽無限好」は、「夕陽、無限に好し。只だ是れ、黄昏に近し」という、晩唐の詩人、李商隠の詩句からとっているという。
 この本は、私の大切な1冊になるであろう。もったいないから、ゆっくりと読もう。
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 人生論めいたことでは、白川静が「私の履歴書」の中で、子供のころ「一生読書の生活をしたい」と思ったと書いているのが、ずっと頭に残っていた。白川静はまさにその通り、90余年の生涯を、文字を読んで送った。
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生涯懶立身(この項未完)
by withbillevans | 2012-05-08 22:51 | 読む