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私のお宝 KONICA HEXANON AR57mmF1.2 前期型の物語

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一番大切にしているレンズ
 なぜ、お宝かというと、よく写るからだ。一般的によく写るというなら、最新のレンズのほうが上だろうが、自分は実はこんな写真が撮りたかったのだという写真を目の前に提示してくれるのが、このレンズである。
 同じレンズを買い換えて、これが3本目になる。
 最初は、新宿の中古店、中古市場で、黄変していて、中玉に小さいゴミが多めに固着していたのを、格安価格2万円で購入した。このレンズは、金属鏡筒だけのものと、ピントリングにゴムが巻いてあるのと2種類ある。私は金属のみの鏡筒のものを前期型、ゴムを巻いているのを後期型と呼んでいる。これは前期型だった。
 写りは最高によかった。画面は黄色っぽくなるが、気にならなかった。かえって、時を感じさせてくれて面白かった。ゴミの影響もなかった。
 1年ほどたったころ、マップカメラに、後期型のかなりきれいなのが出ていた。3万円なのですぐ購入した。黄変はなかった。
 画面を見ても黄色っぽくないので、すっきりとしていた。どんどん使って楽しんだ。前期型は手放した。
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前期型のほうがいいと思った もし、放射能レンズだと怖いが…
 あるとき、両方のレンズで撮ったのを比較していたら、確かに前期型の画面は黄色っぽいが、ピントの切れが違うように見えた。前期型のほうが、空間的・時間的両面での、奥行き感、立体感が優れているように見えたのである。
 黄変が激しいレンズは、レンズ性能をよくするために、ガラスの硝材に、トリウムという放射性物質を混入させているからだという説がある。放射能レンズだ。1950年代にLEICAが始めたが、同社はまもなく代替物質に変更した。日本メーカーのみ、1970年代半ばまで添加し続けたということだ。
 私の体験でも、それを裏付けるようなことがあった。私の使用したことがある国産レンズでは、PENTAXのKマウントに移行したばかりのときの35mmF2.0という大型レンズが、すごい性能だったが、自分のも含め、中古市場で見た限り、ほとんどが黄色くなっていた。CANON FD35mmF2.0も同じように黄色いのが多かったが、これも極めてよく写った。
 ネット上で「放射能レンズ」で検索すれば、勉強できるサイトがある。実際に当時のレンズの放射線量を計測して発表しているサイトもある。あるサイトによれば、最も線量が高いのはM42マウント時代のPENTAXの標準レンズで、自然界の線量の100倍くらいになる。当時のPENTAXは国民的一眼レフカメラであり、その標準レンズに放射性物質が含まれていたことは、いろいろなことを考えさせる。武田徹の『私たちはこうして原発大国を選んだ』という本に紹介されている、戦後日本の科学信仰と原発導入の関係と、似たところがある。
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念のため、レンズ後方には体を近づけないことにしている
 私のKONICA HEXANON AR57mmF1.2 前期型が放射能レンズかどうかは確認できなかった。自分で計測すればいいのだろうが、計測器を持っていない。状況証拠的には、灰色というところだろうか。
 ただ、そのサイトのデータによると、これらレンズの線量はレンズの後ろ方向が多い。これは、一番後ろのレンズにトリウムを含んだガラスが使われることが多いためだ。デジタルで使用する場合は、マウントアダプターを介するので、体からの距離が稼げる。焼け石のなんとかかもしれないが、若干の安心材料ではある。そのサイトによると、PENTAXレンズにガイガーカウンターを近づけると鳴りっぱなしになるほどだが、レンズ後方4cm離れると線量は大幅に減っている。
 福島原発事故を起こした国の市民として、放射線に対しては、最新の注意を払うべきであろう。
 そういう、気がかりはあるものの、この写りは魅力的だ。ということでまた、気が変わって、前期型の、黄変のひどくない、ゴミもない、程度のいい、できれば新品同様のが欲しくなった。しかし、探してもなかなか見つからなかった。ある地方の店がネットで出していたが、法外に高い。メールで値下げ交渉してみたが、完全に無視された。もし宝くじで3億円当たっても、その店では買わないぞと思った。e-Bayにも出品されていたが、やはり値段が高すぎた。
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スズキカメラ商会にきれいなのがあった
 1年くらい探した後、高田馬場のスズキカメラ商会に行ったら、前期型のきれいなのがあった。値段も想定内なので、購入した。フィルターとフードをおまけしてもらった。この日は、朝から、いいことがありそうな気がしていた。その日以来、ルンルン気分が続いている。
 この店は、コニカ製品を中心に品揃えしているので、私のようなコニカファンにとっては、とってもありがたい。値段もリーズナブルであり、おすすめの店だ。ただ、店は狭くて、暗くて、タバコが煙い。店主がぶっきらぼうだ。でも、許す。
 このレンズの描写の特徴は、人物を撮るときに最高に発揮される。男女を問わず、きれいな人は超きれいに、そうでない人もきれいに写るのである。
 このレンズさへ持っていれば、肖像写真館を開いても、商売繁盛間違いないと思う。
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 konica AR レンズは、普段はアダプターを介して、NEX-5で使用している。
(追記)その後、ネット上で調べたら、私のKONICA HEXANON AR57mmF1.2 前期型は放射能レンズであることが分かった。線量は毎時1.4マイクロシーベルト。前述のPENTAXレンズの線量が6以上だから、その4分の1以下のレベルだ。なおKONICA HEXANON AR57mmF1.2 後期型は放射能レンズではないようだ。
(この項、撮影はNEX-5 + NewFD50mmF1.4)
by withbillevans | 2012-04-14 15:55 | 写真機

NEX-5用のSIGMA 30mmF2.8 EX DN E が到着

 
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NEX用のSIGMA 30mmF2.8 EX DN E が到着
 予約していたNEX用のSIGMA 30mmF2.8 EX DN E が到着。まず、使い込んだNEX-5に装着して、勇姿を記念撮影した。飾り気がなくて、なんてスパルタンな姿なのだろう。まさに「無印良品」的デザイン。うーん、これは最強のスナップシューターになるだろう。こういうモノの撮影には、CANON NewFD 50mmF1.4を使う。
 午後、東京都心に行って、桜を撮ってこよう。
by withbillevans | 2012-04-07 11:22

YASHICA ELECTRO 35 GSNについて

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YASHICA ELECTRO 35 GSN 
 1966年に発売されたYASHICA ELECTRO 35 シリーズには、このカメラが現役時代は縁がなかった。購入したのは21世紀になってからである。使ってみて、すごく気に入った。大変よく写り、モノとして魅力があった。でも、フィルムの時代は間もなく終わりそうなころで、本棚の装飾品になるのに、それほど時間はかからなかった。
 なぜ、現役時代に買わなかったのだろうか。まずNIKONやCANONの一眼レフにあこがれていた。ブランドに魅力がなかった。電子技術を使って「誰がどこで使ってもきれいに写せる」という商品コンセプトに興味がなかった。以上は消極的な理由。積極的な理由があって、それは、豪華風に見せようという過剰なデザインだった。
 少しでも大きく豪華に見せようとする魂胆が見え見えのデザイン、ギラギラした銀色メッキ、電子が飛び回っている模様のマーク。これらはキャデラックとかシボレーとか1950年代の米国車のテールフィンを連想させる。今風に言えば、クールでもスマートでもない。かっこいい自分としては、ああいう大衆迎合的というか大衆の欲望を形にしたようなものは、身近に置きたくなかった。
 中古を買ってみようと思いついたのは、レンズの設計製造が富岡光学だったからだ。そして写してみて驚いた。絵に立体感があった。空間的な立体感だけでなく、時間的な立体感も表現した。COLOR-YASHINON DX 45mmF1.7、さすが富岡である。その後、YASHICA ELECTRO 35 シリーズのカメラを何台か使ってみたが、レンズの性能ではGXの40mmF1.7が最も優れていると思った。

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デザインもいいじゃん 
 使い勝手もすごくよかった。手が大きい私には、大き目のボディーが使いやすい。各パーツは間隔を持って配置され、一つひとつきちんと作られている。ボディーの剛性感もすごい。YASHICA ELECTRO 35 シリーズのコレクターがいて、その人のサイトには、ものすごく丈夫で、ボディーがへっこむほど傷ついても壊れない、と書いてある。電子カメラは壊れやすく、壊れたらおしまい、と思っていたが、どうも違うようだ。銀色のメッキは、今もギラギラ光っており、錆もよごれもない。そういう目で見ると、デザインも悪くないと思うようになった。上品ではないかもしれないが、日本が元気だったころの、前を向いて胸を張って歩いている感じがいい。水前寺清子か三波春夫。

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熊野に持っていった
 長女の結納のときの記念写真を、このYASHICA ELECTRO 35 GSNとCONTAX T2 とROLLEIFLEX 2.8F Planarで撮った。このカメラが一番シットリと写った。銚子の近くの外川という漁港の町で使ってみたら、白い波頭が英国の風景画のように写っていた。勝浦の古い旅館が積み重ねてきた歳月も写っていた。
 熊野に行ったときは、YASHICA ELECTRO 35 GSNを、ケースに入れないで、首からぶら下げて歩いた。南紀の強い太陽の下で、銀色のボディーがいつにも増してギラギラ光った。「LEICAの M3か M4でも持っている人に会わないかな」と期待して古道を歩いた。お互いにカメラをちらりと見て、「オレのほうがいいのを持っている。腕も上だ」というシーンを期待したが、そういう人には会わなかった。夜、脚だけでなく首が痛かった。
 
by withbillevans | 2012-03-31 13:27 | 写真機