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新潟県村上市 町屋の屏風まつり(6)完 「カフェ井筒屋」 SIGMA19mmF2.8 EX DN

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 屏風を公開しているお店を順番に回って、最後に見学させてもらったのが、ここだった。暖簾に、小さな文字で「井筒屋」と染めてあった。中に入ると、なんか、いい感じだった。
 草花の盆栽が素晴らしかった。鉢に植えてあるのは、普通なら見向きもされない雑草なのだが、これが見事な作品になっていた。市内の愛好家が栽培したのを、展示していたようだ。
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 時代がかった建物はきれいに磨かれ、奥に進んでいくと、モダンな和風にリフォームされていた。グランドピアノが置かれ、小さなテーブルがいくつか並んでいる。カフェになっていた。坪庭の植栽は過剰でなく品がいい。店の人たちは控えめながら、フレンドリーであった。
 出掛けに、メニューの構成を聞いたら、食事もできるという。「それでは、お城を見てから、お昼を食べに戻って来ます」と言って、店を出た。
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 村上城址の、標高135mの山登りをして、汗びっしょり、くたくたになって、店に戻った。芭蕉の名前がついたランチを注文した。丁寧に作られていて、おいしかった。近くの喜っ川でつくられたものだろうか、味付けした鮭の切り身も膳にのっていた。他の人たちが食べていた和風スイーツを、盗み見したら、やはりおいしそうだった。 
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 私は、知らない町に行って食べるお昼を、はずしたことがない。ほとんどの場合、満足できる店を、嗅ぎ当ててきた。友人たちも心得ていて、食事をする場所の選定は、いつも私の担当である。
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 店を出てから、小さな表示板があるのに気づいた。松尾芭蕉が、『奥の細道』の旅の途中、本当にここに2泊したのである。
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 「カフェ 井筒屋」を出て、右に行くと、道が緩やかなカーブを描いていた。いかにも昔の道のような風情があった。ふと、芭蕉が弟子の曽良と2人で、てくてく歩いていく姿が見えたような気がした。
(完)

≪最後に≫
 これで、6回に分けて記した、村上の報告は終わりにしたい。村上は、大変よいところであった。30年来の宿題が片付いた思いがする。今度は、村上から、日本海沿いに北上し、県境を越え、山形県の鶴岡に抜けてみたい。
 いつもそうであるように、村上でも、事前にガイドブックを見るようなことはしなかった。なにしろ、その日の朝飯を食べながら、村上行きを決めたのだから。
 
 そんなことで、写真機材は、SIGMA19mmF2.8 EX DNを着けたOLYMPUS E-PL3だけだった。それでも、なんとかなった。もっと広角、もっと望遠、ズームがあれば、などとは、あまり思わなかった。
 逆に、EOS 5DやD800などの、フルサイズ一眼に大型ズームレンズを着けて持ち歩く自分など、とても想像できない。あちこち寄り道して、気が合いそうな人がいたらおしゃべりして、なにか見つけたら、近寄ってパチリ。こういう使い方だから、カメラはちっこいほうがいい。でも、カメラやレンズがが好きだから、性能がいいのが欲しい。
 SONYが先日発表した、コンパクト・フルサイズ機のレンズ交換できるのを、一日も早く出して欲しい。発表した35mmF2.0レンズ固定機では、レンズが、ほんの少し広すぎる。私は、CONTAX T2の38mmが好きである。目が38mmになってしまっているのか、使いやすいのである。
 将来、38mmのいいレンズが出る可能性は、それほど高くなさそうそうであるから、T2の38mm sonarレンズを取り出して改造してもらい、いずれ出るはずのSONY ボディーに装着するようなことを、想像している。

 それから、E-PL3のバッテリーの持ちは悪かった。途中で、電池不足の信号が点滅し始め、焦った。昨日、予備用として、互換品を2個注文した。
by withbillevans | 2012-10-04 23:00 |

新潟県村上市 町屋の屏風まつり(4) 「吉永小百合さんのロケ現場、喜っ川」 SIGMA19mmF2.8 EX DN

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 あっちに寄り、こっちに寄りして、ようやく、吉永小百合さんがポスターのための写真を撮影した場所に着いた。喜っ川という名前の、鮭の加工品を製造販売しているお店だった。
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 特別に大きいというわけではないが、いい面構えの店だ。「鮭」とだけ書かれた、暖簾が潔い。風雨にさらされた板壁と格子戸が、凛々しい。そういう無彩色のしつらえに、脇にある赤い郵便ポストが実によく似合う。
 ここに、吉永さんが立ったら、やっぱり絵になる。もし、私がカメラマンを務めたとしても、ポスターに使えるくらい、いい写真が撮れる…はずないか。
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 外は明るい。店の中はほの暗い。だから、中の様子は見えない。暖簾をくぐって、初めて店内がどうなっているかが分かるのだ。
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 中は、こうなっていた。昨年秋に獲った鮭を加工して、ここに1年間下げておくのだそうだ。もう少し経つと、今年の鮭漁が始まる。そのときに、この鮭を出荷するのである。
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 この鮭から、様々な工夫をして、もう一段加工して作った食品も売っていた。私は、いくつかをセットにした、屏風まつりの期間だけという限定商品を買った。
 観光バスでやってきた熟年の人たちで、お店はにぎわっていた。みんな、暖簾を背景に写真を撮っていた。心は吉永小百合さんだ。
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 お店の人に、いつから商売をしているのですか、と聞いてみた。当初は酒造、米問屋など、昔の代表的な仕事をいろいろとやっていた、この地方の有力な商家だったという。鮭の加工販売を始めたのは、比較的新しく、と言っても50年くらい前からだそうだ。
 飾られている屏風や美術品も、価値があるもののように見えた。この質実剛健な建物は、隅から隅まで磨きあげられ、チリ1つ落ちていなかった。
 店を出るとき、この脊筋の通った老舗の、風に揺れる暖簾に、もう一度触ってみた。
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(続く)
by withbillevans | 2012-10-02 23:00 |

新潟県村上市 町屋の屏風まつり(2) 「ストリート」 SIGMA19mmF2.8 EX DN

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 街歩きを始める前に寄った観光案内所で、2つの情報を得た。まず、この日は、9月15日から10月15日までの1カ月間、約70の町屋や商店が、伝来の屏風を飾って、一般公開している「屏風まつり」の期間中であること。これはラッキーだった。
 もう1つは、吉永小百合さん関連。村上駅についたときから、あちこちに貼ってあった吉永さんのポスターが気になっていた。市内の古い店の前で撮ったらしいJR東日本のポスターだ。どこで撮ったのか、場所をしっかり聞いて、記憶したのである。
 そして、歩き始めた。
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 まず、古い町屋が残り、屏風を公開している家が多いというメインストリートに出た。そして、最初に目に飛び込んできたのが、この看板だった。この日、私が村上市内で見た看板では、一番大きいものだった。換算38mmのSIGMA19mmF2.8 EX DNレンズでは、カバーできないほど大きい。遠くの方の民家の壁に「神は存在する」という看板が貼り付けてあるが、その200倍くらい大きい。こんなところになくてもいいのでは。
 これが、水原弘、由美かおる、浪速千栄子などの蚊取り線香とか、大村昆、松山容子のドリンク剤の看板なら、雰囲気があるのに、これでは…。
 オスプレイは危険と言えば危険だし、金持ちは税金をいっぱい払うべきだ。そう思っているのはアンタだけではない。アンタがそう思っているから、アンタだけが正しいわけでもない。正しいことを主張するためなら、場所をわきまえず、どういう方法でも許される、というようなことを思わせる看板だった。
 1990年代に、新右翼「一水会」の鈴木邦男氏に、今は右翼は流行らないが、どういう気持で活動を続けているのか、聞いてみた。彼は「ボランティアとしてやっている」と言った。世の中、功利主義や、市場原理主義一辺倒のとき、こういう考えは極めて意味があると、私は大いに共鳴したのである。そうか、続けることに意味があるのか。誰もやらないことを、なら私がやろうと、成果を求めることもなく、ただひたすら、無償の行為としてやり続けるのだ。伝統芸能などもそれに近いのかもしれない。
 今は、尖閣問題などで、右翼的な言動が一定のリアリティーを持ちつつある。90年ごろとは変わってきている。それも怖いことだが…。
 この看板の人たちも、過去数十年間、伝統芸能保存運動のような立ち位置があった。そういう行動を、私は認める。だが、表現方法と自己規定にあたっては、もう少し奥ゆかしさがあっていいのではないだろうか。
 この欄の4番目の写真は、地域の新聞社の建物だ。控えめで、街並みに合わせようという思いが伝わる、落ち着いたたたずまいである。新聞業界人として、こういうマナーを見習うべきであろう。 
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 そんなことを考えながら歩いていくと、通りから奥まった家があり、コンクリートで舗装した庭で作業している男性が見えた。大きな花瓶だか土管に、ススキや瓢箪が飾られていた。
 そばへ行って話しを聞いた。要約すると、通りを歩く人に、いい気持ちになってもらいたいので、廃物を利用して、オブジェや工芸品を作って、飾っているのだという。玄関前や壁に飾っているだけではもの足りず、本来の住宅の前に奥行き半間ほど増築し、そこを陳列スペースにしているそうだ。
 メインは、流木を動物に見立てた作品のようだ。ツルやキツネが飾られていた。川原や海岸に転がっている流木を見た瞬間に、インスピレーションがわくそうだ。その感覚が、自分は普通の人より鋭敏なのだと話していた。
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 気になる建物があると、パチリした。大工町というのは、建築関係の職人が住んでいたのだろう。塀に、鮭をデザインした家があった。板金が仕事の家なのかもしれない。
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 それから、店の土間やショーウィンドーに、気になるものを飾っている店が、たくさんあった。
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 上の写真は、カメラ屋さんのショ-ウィンドーの中。このフジペットは、とても小さい。よく見ると「35」とある。私が小学生のころ、フジペットは子供用として売り出されベストセラーだった。使用フィルムは、ブローニー(6×6)なので、よく写った。これは、35mmフィルム用のタイプかもしれない。
 左奥の一眼レフは、東京光学のトプコンRである。一世を風靡したREスーパーの前のモデル。でかくて堂々としていて、工作精度が素晴らしい。いつか入手しようと思っているカメラである。
 東京光学は旧日本陸軍の、日本光学は旧日本海軍の光学技術を支えた。私が学生のころは、まだトプコンREスーパーが売られていた。当時から、ニコンFは、世界最高の一眼レフカメラとされていたが、レンズ性能を含め、トプコンREスーパーのほうが優れていた、と語る人も少なくない。中古市場で売られているREスーパーは、US NAVYと刻印されているものが結構ある。日本では陸軍、米国では海軍。すごいぞ、トプコン。
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 これも、同じカメラ店のウィンドー。鉄人28号だと思うが、私の記憶とは少し姿が違うので、27号までのどれかかもしれない。あるいは、それらとは無関係の、名もないロボットかもしれない。私は、子供のころから今に至るまでずっと、鉄腕アトムより鉄人28号が好きだった。
 アトムの肌は、ゴムかプラスチックみたいだが、鉄人28号は、分厚い金属。体にリベット(鋲)が打ってあり、不器用で強そうだった。それに、リモコンで動かされるロボットだった。その悲しさが、私をひきつけたのかもしれない。
 鉄人28号は、現在は、神戸市で幸せな余生を送っていると聞く。いつか、「ずっとファンでした」とあいさつし、その雄姿を撮らせてもらいたい。
(続く) 
by withbillevans | 2012-09-30 23:00 |

日比谷公園ガーデニングショー おもちゃ箱みたいな庭たち  台風は大丈夫かな

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 地方出張と重なり、土曜日のガーデニングショーの開会に行けなかった。1カ月くらいあるので、後日ゆっくり見学しよう。これほど大規模なショーは初めてなので、大いに期待している。
 金曜の朝、面白い庭を見つけた。いずれも「ライフスタイル・ガーデン部門」の出品作だ。個性的な趣味などを、庭つくりの第一優先順位に置いたもので、意外性が楽しい。なにやら、おもちゃ箱の中を、覗きこんだような庭たちである。
 最初の2枚は、メキシコ風のガーデン。マンションのベランダに作って、ここでメキシコ音楽を聴きながら、テキーラを飲むのだそうだ。少しだけ姿が見える外国人の庭師も、メキシコ音楽を流しながら作業をしていた。
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 次の庭のコンセプトは、「大人の秘密基地」。大人になりきれなかった男の隠れ家のような庭である。趣味を楽しむ小屋を作って、そこに隠れる。
 庭を制作していた若い方と名刺交換して、少し話してみた。真ん中の棚にMINOLTAのX700らしきカメラが置いてある。彼が実際に愛用していたカメラなのだそうだ。
 下の説明文は、彼の実生活なのだろう。ポーズをとってくれた制作者は、大手私鉄系のガーデニング会社の現場監督をしている杉本太志さんという人である。
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 最後は、アマチュアの庭。大西牧子さんという女性(主婦?)の作品。無理をせず、自然体で楽しんでいる感じがうかがえる。こういうの、いいなあ。
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 これから、強い台風が、東京を直撃しそうだ。夕方5時ごろから、突然雨が降り始め、風が吹き出した。会場の日比谷公園には、1カ月ほどかけて、たくさんの庭や構造物が作られた。被害を受けなければいいのだが。


≪追記1≫
 台風一過の朝、日比谷公園を通った。心配した台風被害はあまりなかったようだ。1人の男性が、自分の出品作の庭を手入れしていた。「台風が心配で、朝一番にやってきた。被害がなくてよかった。枯葉がいっぱい飛んできたので、掃除してたんでさあ」と言った。ここは、ライフスタイル・ガーデンの一角。上で紹介した〝おもちゃ箱〟みたいな庭の並びだ。こういう庭が好きな人が、ほんとうの庭好きなのかなあ、と思ったりした。
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≪追記2≫
 上記の、「大人の秘密基地」が、なんと、東京都知事賞を獲得した!
 杉本さん、おめでとう!
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by withbillevans | 2012-09-30 18:33

新潟県村上市 町屋の屏風まつり(1) 「いざ村上へ」 SIGMA19mmF2.8 EX DN

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 新潟県村上市に行ってきた。30年くらい昔、雑誌記事で、鮭とともに生きる街という記事を読んで以来、いつか行ってみたいと思っていた街である。ようやく念願がかなった。
 今朝早く、新潟駅を出発して、羽越線に乗った。9時過ぎに村上に着き、いっぱい歩いた。午後4時過ぎに新潟に戻り、先ほど自宅に帰ってきた。昨日も今日も、新潟は暑くて、かなり疲れた。
 電車が新潟を出発すると、大きな川を渡った。阿賀野川である。福島県の会津では、何回もこの川の上流を見たことがあるが、河口近くは初めて見た。
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 電車は、沿線の中心都市、新発田に近づいた。都市ガス会社のタンクに顔が描いてある。世界最大の〝ゆるキャラ〟であろう。
 電車は、土曜日のせいか、サラリーマンが少なく、高校生がいっぱい乗っていた。さすが新潟県、美人高校生を数人見かけた。しかし、驚いたのは帰りの電車、美人高校生がうようよいたのである。特に、新発田周辺に多かったような気がする。
 昨年夏、新潟市内を地元の方の案内で車で走っていたとき、「ここが岡田茉莉子の出身高校です」と、彼が教えてくれた。へえ、彼女は新潟出身なのかと、知った。なんで、突然、こんなことを思い出したのか。
 往復の電車の中で出会った、数十人の美人高校生を盗み見して、容貌に共通の特徴があるのに気づいた。顔の形は面長、目はくっきり、唇はやや厚め。鼻から口にかけての曲線が、ヌメツと滑らかで美しい。そういう特徴を集めて再構成すると、岡田茉莉子のデビュー当時にそっくりになるのである。
 私はあるとき、女優の岡田茉莉子さんを1日、エスコートしたことがある。朝、車で彼女の住むマンションに迎えに行き、ある財界人と会食、対談をしてもらい、再び、マンションまでお送りする仕事であった。2人だけで車に乗り、お話をする時間も、結構長かった。翌年は三田佳子、次の年は竹下景子、次は…という具合。初めて見る岡田茉莉子さんは、小柄で地味な方だった。ところが、テープレコーダーが回り、撮影の照明が点くと、突然、人が変わった。オーラが出始めた。後で、テープを聞くと、彼女の声の明瞭さは、司会者である私を含め、一般人とはまったく違っていた。
 まぁ、そういう昔話はさておき、今回の旅で、新潟美人の本質を、きっちりと把握できたのは、実に大きな収穫であった。ポイントは、目の下、鼻、口のあたりの曲線の具合と、この部分の湿度あるいは粘度を持った肌の滑らかさであった。
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 「すみません、1枚撮らせていただけますか」と、最初の美人高校生に頼もうかと思ったが、今回はやめにした。つくづく、篠山紀信がうらやましかった。美人高校生を撮りまくり、本まで出した。そういえば、間もなく、東京オペラシティー・アートギャラリーで、篠山の写真展があるはず…。
 稲刈りは、半分以上が終わっていた。新潟県内を2日間、電車で回ったが、この季節につき物の、田んぼのあぜ道に咲く彼岸花を、一度も見なかった。新潟平野には、彼岸花がないのだろうか。
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 さらに北に進むと、右手前方に朝日連峰と思われる山々が見えてきた。近くの山の色が緑なのに対し、遠くの山は青く、稜線も鋭い。もう、村上に近いのだろう。
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 村上駅に着いた。暑いので、コインロッカーに、バッグとともに上着も預けた。ところが、歩き始めたら、突然、空が暗くなり、ポツリとふってきた。傘はバッグに入れていたので、コインロッカーの中だ。また。扉を開けると、300円損するな、でも400円でなくて不幸中の幸いかな、などと思っていると、観光案内所があったので、そこで様子を見ることにした。
 雨はすぐに止んで、明るくなり、また暑くなってきた。「さあ、行こう」。初めての街を歩き始めるときの気持、これが好きだ。
(続く)
by withbillevans | 2012-09-29 23:00 |

日比谷公園・松本楼の10円カレー

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 朝、日比谷公園に入っていくと、週末からのガーデニングショーの準備が、かなり進んでいた。大きなケヤキの下の、普段は裸地になっているところに、草花が植えこまれていた。秋の風情を感じさせる、涼しそうな花が多くて、いい感じである。
 すると、遠くに、少なからぬ人の気配。さらに進んでいくと、スピーカーから音楽が流れている。「忘れな草をあなたに」である。
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 人数は結構、多かった。200人くらいいたろうか。みんなレストラン松本楼のほうに歩いて行くようだ。
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 松本楼の前まで行ったら、店の前に、白い椅子が並べてあり、セレモニーか音楽会をやる雰囲気だ。そして、壁面を見上げると、垂れ幕が。「そうか、今日は年に1度の10円カレーの日だったのか」と気付いた。
by withbillevans | 2012-09-25 23:00

東京駅改装工事完成 新駅舎見学会に行った

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 正式には「東京駅丸の内駅舎保存・復原」と呼ぶのだそうだが、東京駅の、大規模な改装工事が終了し、昨日、見学会が開かれた。建築大好き少年である私は、万難を排して参加した。
 改装の最大のポイントは、太平洋戦争時に、米軍による空襲で屋根が焼け落ち、戦後、2階建てで再建されていたのを、建設当時の3階建てに復元(JR東日本は「復原」と書く)したことである。これにより、屋根が、頂部のないピラミッド型から本来のドーム型に戻った。
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 そして、ドームの中はこうなっている。旅客は、丸の内北口あるいは南口の改札を通って外に出ると、ドームの下に来るのだ。
 全部の新聞を確認したわけではないが、昨日の『日経』夕刊の1面には、この場所から撮った写真が載っていた。テキは、NIKONかCanonの20万円くらいする超広角レンズを使用したのだろう、広く写っている。当方は、13000円のSIGMAレンズ。善戦だ。
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 駅舎の最大の魅力は赤レンガである。建物内部のレンガはどうなっているのか。1階の案内センターが一番よく雰囲気を理解できる。だれでも入れるスペースなので、ここが見学のオススメ・スポットだ。
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 改装前から、ギャラリー(入場有料)があった。赤レンガをむき出しにした壁が、特徴だった。普段は、中での写真撮影は禁止だが、今日だけはOKだった。何十枚も撮ってしまった。
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 建物の随所に、赤レンガを露出させる工夫をしている。いいインテリアだ。空襲で焼けたときに、焦げたのかもしれない。鉄骨もかなり痛んでいるようだが…
 私は、突然、思った。「戦争反対!」
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 ホテルも、改装前からあった。廊下の壁には、東京駅ならではの、額がかかっている。
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 ホテルのスィートルームは、一泊80万円。へぇ、そうですか。別のこちらの部屋は、塔屋の最頂部に位置する。部屋は2層になっていて、階段を昇った先にあるベッドルームの丸窓から、駅の外観が見えるのが売り物。一泊25万円。ほぉ、そうですか。
 ビジネスユースの部屋もツインで5万円以上するようだ。改装前のホテルは、もっと安かった気がする。
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 こちらは駅長室。インテリアは普通だ。額の文字は「無事」。案内の男性が「はい。私たち社員は、結果的に無事であることを祈るのではなく、無事に終わらせることができるよう、普段から環境を整えることが『無事』の本当の精神だと教わっています」と、はきはきした口調で、私に言った。ぜひ、そのようにお願いします。

≪反省点≫
 見学会には、超広角レンズなど、何本かのレンズと、複数のボディーを持っていこうと思っていたが、この日であることを、すっかり忘れていた。そのため、カバンに入れていたSIGMA19mmF2.8 EX DN + OLYMPUS E-PL3のみでの撮影になってしまった。やはり、屋内での撮影は広角レンズが欠かせない。
 そして、1時間半の見学時間のうち、1時間ほどで、バッテリーに赤ランプ。この組み合わせは、1日3個くらいバッテリーを使いそうだ。

≪新たな発見≫
 東京駅前にある中央郵便局も建て替えをしていたが、保存する旧建物の外壁が顔を出した。高層ビルの裾の部分に、以前そこに建っていた建築の外壁を残す手法が、東京駅近辺には多い。
 保存される建物は、いずれもクラシックな味があったが、その中で、中央郵便局だけは、白っぽいタイル張りで、幾分安っぽく貫禄に欠けるように思っていた。ところが、今日見たら、すごく、美しかった。本当に、残してよかった。
 何年前か忘れたが、鳩山由紀夫の弟(自民党?)が、この建物の解体現場にやってきて「誰が壊していいと言ったんだ!」と、怒号を張り上げていたテレビニュースを思い出した。郵政民営化のドタバタの中の一幕である。あの弟がどんな役割を演じたのか、記憶が定かでないが、建物が、皮だけでも残って、よかった。もしかしたら、彼の功績だったのかもしれない。
by withbillevans | 2012-09-25 06:00 | 散歩

東京・根岸 子規庵の庭

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 会社の先輩であるFさんとYさんと、午後3時に、両国駅で待ち合わせて、相撲見物に行ってきた。それまでの時間、東京台東区の根岸にある、子規庵を訪問した。正岡子規が、1902年(明治35)9月19日に亡くなるまで住んでいた家である。現在は財団法人が管理している。
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 室内は撮影禁止なので、庭に出て、外側から建物の写真を撮った。天気は曇りで、ときどき小雨がぱらついた。1時間ほど見学して、外に出たら、少し、陽が差し始めた。本日は、LEICA SUMMICRON R 50mm F2.0の筆おろしとなった。ボディーはNEX-5N。レンズはこの1本のみ持って行った。
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 亡くなる日の前日、子規は3句の俳句を詠んだ。
   をとといの へちまの水も 取らざりき
   糸瓜咲て 痰のつまりし 仏かな
   痰一斗 糸瓜の水も 間にあはず
 ということで、庭には、糸瓜(へちま)の棚があり、黄色い花が咲いていた。
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 この1句と、短い文章の中に、庭作りの心理がすべて語られているように思った。少なくとも、私の場合は、このように思うことが、たびたびある。
 句のほうには、自嘲が込められている。心惹かれる草花を、買ったりもらったりして植えているうちに、庭が雑然としてきて、全体としてみると、どうも美しくない。禅宗寺院の庭のような、あるいは高名な茶庭のような美的バランスや秩序とは縁がないな、という苦笑である。
 文章のほうは、思弁的であり、やや哲学的である。この小さな空間の、小さな草花を見るだけで、私は宇宙を実感できる、小さな草花や虫の営為、季節の変化を見ていると、永遠の時間も一瞬の時間も、ともに理解できる、ということだろうか。
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 無限の宇宙空間と、小さな庭。無限の時間と、手で触れることのできる季節の変化。この対比をあえて統合するようなことをせず、あるがままに直感的に把握しようとしたのが、文人の庭だと思う。
 ちょうど20年前、ドイツのワイマールにある、ゲーテが亡くなるまでの50年間住んだ家を訪ねたことがある。その庭に立ったとき、私は、「普通の庭だ」と感じた。だが、その普通さが、とてつもなくいいのである。大きな木も彫刻のような立派な美術品もなく、刈り込まれた芝生などもなく、あるのは普通の家庭の庭にあるような草花だった。
 このとき感じた、普通の庭の心地よさが、子規庵にもあった。文人の庭の、心地よさである。 
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 案内の男性に、「植えられている草花は、当時のものを忠実に再現したものですか」と聞くと、子規の句や文、それに彼が描いた絵に出てくるもの、例えばへちまや鶏頭は意識していますが、多くは、多分あったのではないかと思われるものを(テキトーに)植えています。また、種が飛んできたり、鳥が運んできたりしたものもあるかもしれません、ということであった。
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by withbillevans | 2012-09-22 22:16 | 書く

丸の内仲通りのベンチアート SIGMA19mmF2.8 EX DN

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 帰路、丸の内仲通りを歩いていたら、ベンチに実物大の人形が座っていた。ウェブで調べたら、ベンチアートと言って、誰でもベンチに座って、人形と並んでツーショットを撮ることもできるイベントのようだ。初めに見たのが、体格のいい外国人の人形。ペリー提督だと思ったが、あとで調べたら西郷隆盛だった。所ジョージはすぐに分かった。
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 仮面ライダーも分かった。正式には、仮面ライダー1号だそうだ。全部で20体あるらしいが、全部見て回る気には、とてもならなかった。芸術的感興には程遠い。この通りには、彫刻やオブジェが常設的に飾られているが、そっちの方がずっといい。確か、昨年までは、この季節、いろいろな色でペイントした牛の像が飾られたが、それは、ポップで大変面白かった。
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 通行人は、あまり注目していなかったみたい。みんな、携帯での話に夢中のようで。

《追記》
 写真を何枚か追加。こちらはYASHICA ML35mmF2.8で撮影。

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by withbillevans | 2012-09-13 06:10

男の日傘 SIGMA19mmF2.8 EX DN

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 先日、NHKの深夜の経済ニュースで、猛暑のヒット商品を紹介していた。1位が凍らせて飲むビール、2位が男性用日傘だった。
 私は、5年ほど前から、日傘のお世話になっている。真夏の強い太陽光線が苦手なのである。ようやく、時代が私に追いついてきた。
 強い紫外線は、健康によくない。美容の敵だ。皮膚がんのもとだ。女性は、日傘をさす。男性だって、紫外線をよけるのに日傘は効果的だ。なぜ、男性は日傘をささないのだろう。答えは決まっている。「変わり者と言われたくない」からである。
 そういう、心の壁を勇敢に突破して、私は真夏に外出するときは、日傘をさすようになったのである。
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 3年ほど前、昼飯を食いに、会社を出たら、日傘をさした男性がいた。同じフロアにある別の会社の、顔見知りの人だった。「私も、男性だって日傘を使うべきだと思います」と彼は言った。しかし私は、この人以外に、日傘をさす男性は見ていない。NHKニュースで伝える、日傘を買った男性は、どこにいるのだろうか。まさかガセネタ(嘘報)ではないのだろうが…。
 私の日傘は、ユニクロの800円の折りたたみ式雨傘だ。推測するに、紫外線よけの効果は低いだろう。秋になって、バーゲンセールでも始まったら、ちゃんとしたのを、買ってみたい。5000円⇒2800円などになっていたら、うれしいな。
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 日比谷公園では、来週末から始まるガーデニングショーの準備が、いよいよ本格化した。
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 カバンを持って、日傘を持って、そのうえカメラを持って、というのは非常に疲れる。

≪追記≫
 昨日、きちんとUVカット(紫外線防御)を謳った日傘をもらった。裏は地味な紺地でいいのだが、表は銀色に会社のロゴが書いてあるので、ちょっと恥ずかしい。 (9月14日、このカットのみ YASHICA ML35mmF2.8)
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by withbillevans | 2012-09-12 20:00