朝の通勤途中に、日比谷公園の入り口まで来たら、「超大輪朝顔展」という看板が出ていた。トイフォトで何かを撮ってみたいと思っていたので、ちょうどいいや、と思った。開いているか心配だったが、「多分、朝顔を趣味で栽培しているのは年配の方が中心であろう、みんな早起きだから、やっているはず」と思って、少し遠回りになるが、会場の方に歩いて行った。
濃い桃色のサルスベリが数本咲いている近くに、会場があった。人の声が聞こえてきた。やはり、もう開いていた。
ふと、朝顔の鉢植えを抱えて、下町を歩いているお年寄りを想像した。何年か前、北京に行った時、市内の緑濃い公園に、鳥かごを持ったおじいさんたちが集まっていた。そんなシーンを思い出した。いや、スズムシのカゴだったかな。やっぱり鳥かごだった。
人々が、園芸植物に熱中し始めたのは、やはり江戸時代だったのだろう。こういう浮世絵は、今から見ると200年、300年前の風俗を知る資料あるいは美術品であるが、当時は、美人、ファッション、趣味の最先端情報を伝える、新聞・雑誌・テレビのような役割をしていたのだろう。
いきなり、鉢植えの「超」大輪が咲いていた。花の直径は30センチくらいもあり、大きすぎて、ダラッとしていた。最初は、「まだ朝なのに、もう花が終わってしまったのか」と思ったが、重すぎて、シャキッとできないようだ。
サルスベリは、夏の青空がよく似合う。今年は開花時期が遅いようだ。