腰越から、鎌倉に戻る電車に乗った。海が見えた。ヨーロッパの海岸に似ていなくもない。
1駅先の七里ガ浜で降りた。駅前できょろきょろ見回したところ、興味を引くものがない。駅前の喫茶店でコーヒーを飲み、駅に戻った。
七里ガ浜のホームに、新聞の無人販売機があった。また電車に乗った。線路沿いの住宅の隙間から、海が見える。いいシーンだった。七里ガ浜~稲村ガ崎の景色はよかった。
稲村ガ崎で降り、海側でなく、山側の道を歩いてみた。
こぎれいなカフェやお店があった。住宅もしゃれたエクステリアが多かったが、「売家」と貼られた家や、荒地もあった。
ススキの穂が開き、秋は深まって来ていた。
歩いていくと、やはり、線路にぶつかった。
細い道は踏切になっていた。警報器も遮断機もない。「注意」「注意」「注意」「注意」と4つの看板が立っているだけ。その小さな踏切を越えると、広い道路に出た。
その線路脇にも、彼岸花。
再び、4つの「注意」を見ながら踏み切りを渡り、坂道を上がっていった。急坂であった。住宅が何軒かあったが、みな車は入れない家だ。出かける時は、江ノ電を利用するのだろう。
海を見下ろす、坂道にも、彼岸花が咲いていた。
稲村ガ崎は、沿線では人の多い駅のようだ。
(続く)