雪が心配なので、30分早く家を出た。JRは奇跡的に平常運転。駅までの道が、積雪と凍結で、自家用車が動けないためだろう、バスが超満員だった。しかもノロノロ運転。バス停に積み残された人がたくさんいた。私は、運よくいつもの電車に乗れ、都心に向かった。
都心の道路は、まあ、なんとか、歩けそうな感じだった。
日比谷公園内は、雪がそのままだった。
雪の中でもけなげに咲く、赤いバラなどを撮っていたら、ベンチに凍死体が座っていた。女性のようだ。
その向かいに、雪だるま。ほおー、なんて、素材をうまく使っているのだろう。それに、表情に力がある。かなりの芸術家の手になるものだろうと、感心した。
青空を背景に、両手を広げる姿。制作者は、岡本太郎の太陽の塔を意識したかもしれないな、これは。
少し離れて、もう1体。こちらは崩れかけていた。使っている素材が同じなので、制作者は同一人物か。ポイントは、口にくわえた一輪の赤いバラの花だ。
私の頭に、3体の雪像を元にした、1篇のドラマが浮かんだ。日経新聞の私の履歴書で渡辺淳一の自伝が連載中だ。天才少女画家が、早朝、彼を含む7人の男の家の窓辺に赤いバラの花を残して、雪の山中で死んだという、高校生のころの体験が、一昨日の回に載っていた。あんな感じのドラマだ。
昨夜の雪は、関東の東海上を低気圧が通過したためで、風も強かった。雪の重みと強風で、枝が折れたのだろう。かなり大きい枝が、あちこちに落ちていた。
和風庭園の庭は凍結していた。
霞が関官庁街側の公園入り口。折れた枝が、歩道まで飛んでいた。
きれいに除雪されている歩道。この立派なビルのオーナーは、早朝からお金をかけて、除雪したのだろう。偉い会社である。
普通のビルのオーナーは、そんな余裕がないから、凍った雪はいつまでも残る。こういう場所を歩く時は、気をつけましょうね。
そんなことを考えていたら、目の前を歩いていた男性が、スッテーンと転んだ。すかさず、パチリ。決定的瞬間が撮れた。もう少しレンズが下向きなら…。
今朝の写真では、これが
ピカイチかな。でも、作ったのは芸術家X氏。私はシャッターを押しただけなのだが。(あなた、うちの会社のイガラシ先輩にちょと似てますね、それから、鼻水が垂れてますよ)