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松屋銀座「第35回世界の中古カメラ市」(1) 行ってきました 

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 待ちに待った「世界の中古カメラ市」が、本日午前10時、東京の松屋銀座で始まった。私は現認したことはないが、松屋銀座の前には、暗いうちから行列ができ、店の扉が開くと、会場の8階まで直行するエレベーターに向かって、猛烈なダッシュ(駆け足の競争)が繰り広げられるそうだ。
 もちろん、掘り出し物を入手するためである。中古品は、世界に1個しかないのだ。中古カメラ趣味の人には高齢者が多いので、大事に備えてお医者さんが待機しているそうだ、なんてことはないか。
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 私も、初日に行ってみた。すごい人だった。人ごみをかき分けて、会場を一回りするのに1時間以上かかった。あれも欲しい、これも欲しい、と回っているうちに、だんだん興奮してきた。でも、2巡し終わったころには、落ち着いてきた。落ち着いてみると、チェックした商品の〝買わない理由〟が次々と頭に浮かんできた。
 冷静になって、「さて、今日は何を買いたかったんだっけ」と、昨日考えた「欲しいものリスト」を思い出した。
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 そして、ムサシというお店で、ある品物を買った。まず、記念撮影をと思ったが、すでに買ったものはプチプチの中であった。
 私は、購入商品のほか、名玉M50mmF1.7が着いたPENTAX MX 1万5750円も気になった。だが、同じ店で2台一緒に買うと、必ず後で「2台目は余計な買い物だったな」と後悔することを思い出し、「MXは最近急に値下がりし始めたところだから、来年にしよう」と、説得力のある〝買わない理由〟を見つけて踏みとどまった。冷静な自分に満足した。
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 ムサシの店では、この方に対応していただいた。私が買おうとしたカメラが故障していないか、一生懸命になって確認してくれた。いい人である。
 別の店で、PENTAX SPFを見せてもらったら、その店の人は「露出計が壊れているかどうか分かんない。電池がないから確かめようがないよ」と言った。いくら1万円以下の商品でも、その言い方はないだろう、と思った。カメラに愛情を持てよ、自分の商売に誇りを持てよ、と言いたい。なんという店なのか、看板を見ようとしたが、店の名前は掲示されてなかった。
 もう1つ別の店では、一見、地方都市から上京してきたばかりのような老夫婦が、店の人に色々話しかけていた。自分はこんなカメラを使っているとか、フィルムの入手が難しくなったとか、実はライカもあるんです、などと話していた。
 普通の人だったら「そんな話はヒマな時にしてくれ」と言いたくなるような内容だったが、店員はかなりのベテランの方で、そういう話に、ひとつひとつ「ほんとそうですね」とか「あれは素晴らしいですね」などと、フレンドリーに対応していた。
 そして、地方都市の老紳士が「Elmaritの28mmが、最近ちょっと調子悪くて…」と言ったら、ベテラン店員はすかさず、「お客様、今日、素晴らしく調子が良くてきれいなのが1本入っています」と言って、奥から持ってきた。私は、「数分後には2人とも幸せになれそうだ」と思いながら、その場を離れた。
(続く)
by withbillevans | 2013-02-20 20:00 | 写真機
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