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石田徹也展を見る  足利、桐生への旅(上)

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 3連休の前半を利用して、北関東の足利市、桐生市などに行って来た。先輩のMさん宅の訪問が当初の目的だったが、先週のNHK日曜美術館が、足利市立美術館で開催中の石田徹也展の特集をやっており、「ちょうどいい。見に行こう」という楽しみも加わった。
 石田徹也という人の絵は、見たことがあるが、その人については、番組を見るまで知らなかった。こういう画家を取り上げた地方美術館の努力に敬意を表したい。数年前、千葉市立美術館が開いた田中一村展以来の内容の濃い地方美術館主催の展覧会であった。
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 東武電車の足利市駅で降りた。渡良瀬川にかかる橋を渡って市街地に入るのだが、この橋は非常にインパクトがある。
 この日は、川の上流にあたる左側の歩道を歩いた。自転車に乗ってすれちがったおじさんが「いい写真を撮ってくんないの」と言った。私は「ああ、撮れそうだい」と答えた。
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 私は群馬で生まれ、18歳まで生活したが、そこは長野県との境に近い地域なので、桐生(群馬県)や足利(栃木県)には大人になるまで行ったことがなかった。2つの町は県は異なっても、双子のような関係だと知っていたが、渡良瀬川が県境になっていると、ずっと思っていたのだ。
 だから、桐生も渡良瀬川の〝向こう側〟にあるという真実を知って、衝撃を受けた。
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 1時間あまり展覧会を見た。2階から1階に下りる階段が大きなガラス窓になっている。青空の下の景色が目に入り、切ない気持ちが、日常に戻った。
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 足利と言えば足利学校、ばんな寺であるが、この日は中に入らず、その近くの町歩きをした。面白そうな店がいくつかある。
 古い着物を売っている店があった。自分で着物を着る趣味はないが、こういうのを見るのは好きである。男物の帯、あるいは女物の半帯を安く売っていて、「カメラのストラップ、いや小型カメラを入れるカバンを作ってみたら面白そうだ」と思った。でも、自分では作れない。いつかミシンでも買ってみようかな。
 2階まで上がってみた。いい雰囲気。窓から向かいの店が見えた。「あまから屋」である。和風甘味処。この日は、そこで、昼飯にすることに決めていた。 
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 あまから屋はわれわれが座ると、ちょうど満席になった。カレーとクリームあんみつのセットを注文した。両方おいしかった。
 食べ終わると、店の人が、代金を書いた紙を耳にはさんだウサギ君を、テーブルに置いた。1年ぶりの対面である。ちょっと古くなったな。右足が欠けてしまったのか。
 左手にとって、右手だけで写真を撮った。
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 足利は古い町である。いかにも古びた店もあるし、新しい店もある。これは、大谷石で造ったかっこいい店。
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 古い町屋を改造して、モダンデザインの木工製品や食器・調理器具を売る店もあった。
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 中古レコード(アナログ)専門店。県外のナンバーをつけた高級車が止まっていた。店内では、米国マッキントッシュ社製の大型真空管アンプを使って、レコードをかけていた。小さいスピーカーであったが、アンプがいいせいか、なかなかの音だった。いけない、オーディオ趣味に火がつきそうだ。
 もし、私が足利に住んでいるとしたら、この店と「あまから屋」には、最低週3回は行くだろう。
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 3連休の初日の午後であった。天気はすこぶるいい。町にはそれほど人が出ていたようには見えなかった。裏通りに、八百屋さんがあった。お客さんがいて、店の人が元気そうなので、この周辺だけは活気があった。店の壁に、猫の絵がいっぱい飾ってあった。店主の娘さんが描いたのだそうだ。「私のところに習いに来れば、もっとうまくなるよ」と、この絵を見て、絵の先生が言うのだそうだ。アマチュアであれば、これくらいでいいのでは。
 猫の絵に混じって、写真が1枚だけ額に入れて飾ってあった。この店を背景に、男性が立っている。店主の写真かと思ったら、店主のお父さんの写真だそうだ。「あなたの写真を撮らせて」と言ったら、「オレはまだ一人前でないので、撮ってくれなくていい」と断られた。謙虚な人であった。一袋380円のMサイズのミカンを買った。
 足利市駅から、終点の赤城駅に行くために、再び電車に乗った。電車の中でミカンを食べた。甘かった。
by withbillevans | 2013-10-14 06:00 |
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