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M氏を訪問  足利、桐生への旅(下)

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 旅のDestinationは、先輩Mさん宅。ここは赤城山の南麓。地元では「赤城の南面」と言う。日当たりが良さそうな呼び名であるが、実際その通りである。ただし、冬の風(赤城おろしの空っ風)は冷たくて強い。数年前まで「村」であったが、今は県都・前橋市の一部となっている。
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 県道から少し入っていくと、うっそうとした木立のトンネル。先が見えないが、車でどんどん進む。カラスウリがいい色になっている。
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 パッと視界が広がると、Mさんの家。140年前に立てられた大きな蔵が目に入ってくる。敷地の四方は、背の高い木と竹藪で囲まれており、ここだけが別世界の趣きである。敷地の中を、赤城山(1800m)から湧き出した水が、川になって流れている。聞こえてくるのは、せせらぎの音、鳥の声、そして風が木立を揺する音。
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 Mさんは建築家。私より2つ年長である。東京の設計事務所で働き始めたころ、この地方の農家風の家に住んでいた両親のための家を設計した。40年という時間が、この家に風格を与えた。
 若い建築家にとって小さな住宅を設計するのが一番勉強になる――。世界の偉大な建築家はみんなこんなことを言っている。Mさんが修業した事務所は大型の公的建築が多かったので、この両親の家が、彼にとっては住宅の処女作になる。今、この家の細部を見ると、若き日の彼がいかに多くの時間と情熱を、この家の設計に費やしたかが、素人である私にも分かる。
 初代が枯れてしまい、2代目である白梅も、こんなに大きくなった。お父さんの代は、植木屋に手入れをしてもらっていたが、Mさんは、庭木を剪定しない方針なので、敷地内の全部の木が伸び放題である。
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 両親のための家の奥につなげるようにして、自分の家を建ててからでも、20年以上経った。こちらの家の内部は2012年9月19日の当ブログで紹介している。


 ここで、カメラの話を少し。Mさんは数シーズンかけて、両親の家を写真に収めた。白梅が咲く春、若葉が繁る夏、紅葉燃える秋。そして雪の朝。「赤城の南面」は、めったに雪が降らない。ようやく降った朝、自分の足跡が残らないよう、敷地の外周を歩いて定点観測地点である蔵の前まで行ったそうだ。そういうことで、四季それぞれの写真を撮るのに何年もかかってしまったのだ。
 カメラはOLYMPUSのMICRO4/3機。レンズはPanasonicの7-14㎜高級ZOOM。畳1枚くらいに引き伸ばして飾っている。細部まで克明に描写され、〝フルサイズなんか要らない〟と思ってしまうほどである。
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 翌日、赤城山の山頂近くまでドライブ。関東平野を一望し、富士山まで見る幸運に恵まれた。大沼という名前の山頂近くにある湖のほとりで車を降りた。チョ~ォ寒い。前日が季節外れの暑い日だったので、半そでシャツ1枚で来てしまったのだ。周りの人たちを見ると、冬山登山みたいな格好をしている。ここは1500mくらいの地点。私がバカでした。

 「赤城の南面」のそば店で昼飯を食い、桐生に行き、古い趣のある喫茶店に入った。ここのコーヒーははっきり言ってまずい。でも、数百年耐えた茶室みたいな建物がいいので、よくいく。
 そこで、Mさんのポートレートを撮らせてもらった。全行程を通じて、簡単なZOOMレンズを使っていたが、この時だけ、NEX-5にROKKOR 50mmF1.7を着けて撮った。
 この時だけではない。私が撮ったMさんの写真を、女性に見せると、だいたい、顔をポッと赤らめるか、目を輝かせる。「私の腕がいいから・・・」と口の中でモゾモゾ言うのだが、客観的に言えばモデルがいいのである。
by withbillevans | 2013-10-17 18:00 |
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